レーシックの実際

私たちの眼の仕組み

ものがはっきり見えない理由で最も多いのが、近視・遠視・乱視などの屈折異常です。

この屈折異常をレーザーで治療することをレーザー屈折矯正手術といいます。近視・遠視・乱視を理解するために、まずどのようにして物が見えているのかを簡単に説明します。


私たちの眼に入った像は、角膜(黒目)と水晶体(レンズ)で屈折(光が曲がること)し、後方にある網膜(カメラのフィルムにあたる)にピントを結びます【図1】。しかし、近視・遠視・乱視 など屈折異常がある眼ではピントがずれてしまいます。近視【図2】では網膜より前に、遠視【図3】では後ろに像が焦点を結び、乱視【図4】では縦と横で焦点をむすぶ場所が異なるためにぼけて見えにくくなります。

眼球のしくみ

図1 眼球のしくみ

図2 近視のしくみ

図2 近視

図3 遠視

図4 乱視

屈折異常がある方は、メガネやコンタクトレンズなどの補助具を使用することでピントを合わせることができます。たとえば近視の人がメガネをかけると、像が後ろに移動して網膜に焦点を結ぶようになるためものがはっきりと見えるようになります【図5】。近くのものを見る場合は、眼の中の筋肉を使い水晶体の厚みを変化させ、網膜に像が結ぶように調節力を働かせるため(近くにピントを合わせる力のこと)、本など近くのものをはっきりと見ることができるのです。

しかしながら、一般的に45歳を過ぎた頃から加齢現象により眼の調節力に衰えが生じるため、近くがはっきりと見えにくくなり始めます。このような状態を老視(老眼)といいます【図6】。老眼は65歳頃までゆっくりと進行していきます。

図5 眼鏡の効果

図5 眼鏡の効果

図6 調整力低下と老眼

図6 調整力低下と老眼

レーザー屈折矯正手術は、角膜のカーブを変化させることで光を曲げる力を変化させ、目に入った光が網膜の上で像を結ぶように調整するものです。

最初に登場したピーアールケー(PRK)は、角膜の一番表面にある角膜上皮細胞をとりのぞいてからレーザーで角膜の形状を整える方法です。非常に良い手術効果が得られますが、この角膜上皮細胞がもとに戻るまで痛みや異物感が生じ、また初期のうちは視力がやや不安定になるという欠点がありました。

レーシックはフラップを作るため、この角膜上皮をそのまま残せる手術です。このためピーアールケーに起こる術後の痛みや、角膜の濁り(ヘイズ)が非常に少なくなりました。ピーアールケーは、治療精度・安全性・術後視力などの点で、長期的にはレーシックと全く同等のよい手術です。しかし、翌日の視力や術後のゴロゴロ感はレーシックより劣ります。そのため現在行われている方法として、最も多いのはレーシック(LASIK)です。レーシックが何らかの理由で適切でないと判断された方にはピーアールケーなど、レーシック以外のレーザー手術が選択されます。

なお、近視の度数が強いためにレーザー治療が受けられない方のための選択肢として、眼内に人工レンズを入れるフェイキックIOLという方法もあります。どの治療法があなたにとってベストなのかは、適応検査の後で担当医とご相談下さい。

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