レーシックの実際

レーシックとは

手術の概要

点眼麻酔のみで、入院の必要もなく、手術終了後に帰宅できます。片眼約10分程度の手術で、通常は両眼を同時に治療します。レーザー治療中の痛みはまったくありません。圧迫感程度です。手術後も痛みは少なく、大多数の方が多少眼がゴロゴロしたり、しみるような感じが3〜4時間する程度だとおっしゃいます。手術の主な流れは以下の通りとなります。

1点眼麻酔

1. 点眼麻酔

点眼による局所麻酔を行います。

2フラップ作成

2. フラップ作成

角膜の表面にある上皮細胞を保護するために、マイクロケラトームという装置を用いて角膜の表面を0.2ミリ未満の厚さ(約110ミクロン)で削って蓋(フラップ)の部分を作ります。

3レーザー照射

3. レーザー照射

作製したフラップを裏返し、その下の角膜中央にレーザーを照射して、ミクロン単位で角膜の形状を整えます。【図8】矢印の部分。

4フラップを戻す

4. フラップを戻す

レーザー照射後、角膜フラップをもとの位置にもどして終了です。

図5 眼鏡の効果

図8 角膜実質形成

図6 調整力低下と老眼

図9 角膜形状の変化

角膜フラップは糸で縫う必要が無いので、通常乱視は発生しません。フラップは数分で簡単には離れなくなりますので、すぐに歩いて帰宅できます。非常にシンプルで短時間で終了する、目に負担の少ない治療法です。レーザーで角膜の形状を整えることにより、角膜がピントを合わせる力(屈折力)が変化し、ものがよくみえるようになります【図9】。近視の人は角膜の中央部分の形状をより平坦に、遠視の場合はより急峻に、乱視の場合はより丸味をおびるようにレーザーで調整します。近視+乱視の方でも、コンピューターで自由に度数を組み合わせて、同時に治療ができてしまいます。


手術の効果と有効性

レーシックは、メガネやコンタクトレンズをかけずに日常生活に十分な視力が得られるようにするための手術治療です。翌日から裸眼視力(メガネをかけない状態での視力)が改善しますので、早期の社会復帰が可能となります。前日まで視力0.05の方が、翌日には1.0以上の視力に達していることも珍しくありません。

術前の近視の強さにより異なりますが、レーシックは90%以上の方の視力が1.0以上になると期待できる安全で有効な治療法です。

 カールツアイスメディテック社
 MEL80の治療成績
カールツアイスメディテック社 MEL80の治療成績

症例 術前裸眼視力 翌日裸眼視力 1週間後視力 症例 術前裸眼視力 翌日裸眼視力 1週間後視力
1 0.07 1.2 1.5 11 0.06 1.2 1.5
2 0.08 1.5 1.2 12 0.05 1.2 1.5
3 0.06 1.5 1.0 13 0.06 0.7 1.2
4 0.03 1.5 1.5 14 0.06 0.4 0.9
5 0.07 1.0 1.5 15 0.09 0.7 0.8
6 0.07 1.2 1.5 16 0.07 1.5 2.0
7 0.07 2.0 2.0 17 0.07 0.8 1.2
8 0.07 1.5 1.5 18 0.07 1.5 2.0
9 0.06 1.2 1.2 18 0.05 1.5 1.5
10 0.06 1.2 1.0 20 0.05 1.0 1.2

しかしながら、レーシックでも100%確実に予定どおりの結果が得られるとは限りません。十分な視力を出すために、2回目の治療(追加矯正治療)をおこなったり(約5%程度)、最高視力を出すためには薄いメガネの使用が必要となる場合もありえます。人間の角膜は水分を含んだ生ものですから、創傷治癒反応という 生体反応が生じます。個人個人でことなるこの治癒反応が、治療結果の若干のばらつきの原因になります。

45歳以上の方がレーシックにより最高の遠方視力をめざした場合は、近くのものを見る際に老眼のためメガネをかける必要が生じる場合があります。中年以降の老眼症状を少なくするためには、近視を若干残して遠方視力を0.8程度と多少低めに抑えたり、左右の見え方に差をつける(モノビジョンといいます)ことで対応することも可能です。(ご希望の方は担当医にご相談下さい)近視や乱視があるなしにかかわらず、最終的にはすべての人が老眼になります。現在老眼鏡を使用している方は手術後も老眼鏡が必要ですし、現在使用していない方でも、高齢になれば必要となります。

老眼年齢の方がレーシックを受けると、子供の頃から視力が1.0以上だった人が老眼になった場合と同じ人生になるとお考え下さい。

レーシックを受けるということは、遠くをみるメガネの必要性がなくなり、老眼鏡の必要性が残ると言い換えることもできます。この点をご理解頂けるのなら、たとえ50歳以上の方でも、レーシック治療による恩恵を十分に受けることができます。


レーシックが適した方、レーシックを行うことができない可能性のある方について

あなたがレーシックを安全におこなうことができるか、治療に適しているかどうかは、適応検査の結果をみて担当医が説明致します。

検査結果から、角膜の状態が手術に適しているか(特殊な乱視がないか、角膜が薄くないか)、水晶体や網膜に異常がないか、治療で視力の向上が期待できるかなどを判定します。適応基準を満たした方にとって、レーシックは安全で有効な治療法ですが、以下の項目に該当する可能性のある方は、治療に適していないかリスクが高くなる場合があります。担当医にご相談下さい。

  1. 18歳未満の方
  2. この1年間で近視や乱視の度数が大きく変わった方(若年者や糖尿病の方に多い)
  3. 近視や乱視の程度が検査のたびに変動する方(若年者や糖尿病の方に多い)
  4. レーシックの治療範囲を超えた強度の近視・乱視・遠視がある方
  5. 眼や全身に手術に影響するような病気がある方
  6. SLE、慢性関節リウマチ、強皮症などの自己免疫性疾患のある方
  7. 免疫不全のある方、または免疫機能に影響する治療を受けている方
  8. 副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤、向精神病薬などを服用している方
  9. 過去1年以内に角膜ヘルペスの既往がある方
  10. 円錐角膜(角膜の形が徐々に変形して乱視を生じる病気)のある方
  11. 著しいケロイド体質の方
  12. 現在妊娠しているか授乳中の方、今後六ヶ月以内に妊娠を計画している方
  13. 再発性・活動性の眼疾患のある方
     (例:白内障・ぶどう膜炎・角膜炎・網膜剥離・網膜変性)
  14. 適切な治療を受けていない管理状態の悪い糖尿病のある方
  15. 進行した緑内障のある方
  16. 弱視のある方
  17. 適切な治療をおこなうための協力が得られにくい方
  18. その他、治療が適さないと判断された方

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